【Page2】ウインカーリレーのアップデート

掲載日:2010年03月19日 特集記事    

記事提供/2008年12月1日発行 モトメンテナンス No.80

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ウインカーリレーのアップデート

進路変更したりレーンチェンジする際に操作するのがウインカーだが、スイッチノブを操作して「しばらくした後に作動開始…」と言った、のろまな愛車に乗っているそこのアナ夕!! 要注目ですよ!! ここではIC式ウインカーリレーの実用性に注目しましょう。

ウインカースイッチを作動させたと同時にランプが点滅開始するクイックな作動性はライダーにとって気持ちいいものだし、安全仕様だともいえる。

 

指先操作⇒瞬時に「点滅開始」する理想的スタイル
高年式ウインカーリレーで旧車も素速く、しかも明るく!!

走行中、作動性が今ひとつクイックではなく、時にはハラハラさせられてしまうことがあるウインカー。

 

60年代中頃までは手信号が主流!?の時代であり、ウインカーが標準装備されていないバイクも多々あった。特に、素速く走ることができるスポーツバイクには、ウインカーが標準装備されていない例が数多く、北米市場では70年代初頭までそれが続いた。

 

そんな「後付け」が当たり前だった時代のなごりなのか、ウインカーの作動性にこだわりを持つメーカーは少なかった。一部のカワサキ車のように、ウインカースイッチを作動させるのと同時にウインカーバルブが点滅開始するクイックな仕様もあった。そんなカワサキ車は、イライラするようなマシンを所有するオーナーにとって憧れでもあった。

 

 

今回利用したウインカーリレーは、スズキGSF1200に採用されていたもの。90年代以前のバイク用はCR式が大半だったが、このリレーは内部にIC回路を持つ優れものだ。バルブ交換で明るくできるのも特徴だ。

 

原付モデルや原付2種モデルの場合は、ウインカーという装備が極めて軽視されていた印象を受ける。6V車に至っては、バッテリー上がりが顕著に起こり、エンジン回転を高めないとウインカーが点滅しない例も決して珍しくない。

 

いずれにしても、ライダーの意のままに操作できるウインカーは気持ち良いし、なにより安全である。

 

ここでは、そんなウインカーの作動性にこだわってみたいと思う。例えば、原付&原2モデルでも、仮に12V仕様車であれば、大型モデル用に開発された高性能ウインカーリレーを流用することもできる。90年代以前のウインカーリレーは、CR式=コンデンサ&レジスター(抵抗)式と呼ばれるものが多く、いわゆる「機械式」のウインカーリレーだった。一方で、90年代後半にはIC回路を詰め込むことで、素晴らしい作動性を得たIC式ウインカーリレーも登場した。

 

ここで紹介するスズキのウインカーリレーはIC式を採用。その特徴は、スイッチ回路に電気が流れるのと同時にバルブが点滅を開始することである。ICリレーだからと言って、すべてが即点滅するタイプではないので、気になる方は現車で確認することをお勧めしたい。このスズキ用は、GSF1200に採用されていたもので、出先で偶然出会ったGSFのウインカー動作が気になったため、オーナーにお願いしてウインカーを操作させていただき、納得した上でパーツ購入したという経緯がある。GSFに限らず、他の機種用でも流用可能なものは必ずあるので、気になるモデルを見掛けたときには、実際に動作確認させていただくのも良いだろう。

 

ここでは原2モデルのヤマハAX125に装着したが、大満足の結果を得ることができた。スズキのリレーは2極式のため、アダプターハーネスを自作して同じ2極式のAX125用リレーハーネスに接続した。しかし、AX125には12V10Wのウインカーバルブが組み込まれていたため、ワット数が合致しないため点滅しなかった。そこで、リレーに表示されている21Wバルブを組み込んでみた。ちなみに「+3・4W」とは、メーター内にあるインジケータバルブのことを指している。

 

結果的には、21Wバルブの採用によってウインカー点滅回数が正常になり、同時に圧倒的な明るさをゲット!! さらにICリレーがクイックな作動性を実現。低コストながら大満足の結果を得ることができた。

 

スイッチ操作に対してリニアに反応するのはもちろん、バルブのワット数を大きくできるのも特徴と言えるウインカーリレーの純正流用。絶版旧車系のウインカーバルブは8~10W前後と大変暗いものが多いが、21~23Wになれば相当明るくなり視認性が圧倒的に良くなる。

 


 

絶版旧車のヘッドランプバルブは一般的なタイプが多く、ハイワッテージ仕様は少ない。しかし、アフターマーケットのハイワッテージバルブを使うことで、暗かったヘッドランプを明るくすることもできる。ウインカーリレーも同様だ。高年式な高性能リレーに変更することで、バルブのワット数を大きくすることができる。

 

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