ロードライダーインプレッション~XR1200X、ゼファー750、CB750~

掲載日:2010年02月03日 特集記事    

記事提供/2009年10月1日発行 月刊ロードライダー 10月号
Report/和歌山利宏 ■Photo/徳永 茂
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ロードライダーインプレッション~XR1200X、FLHTK、FXDWG、ゼファー750、CB750~

オン性能が高められたハイグレードXR

XR1200に“X”という高グレードバージョンが追加された。スーパースポーツを思わせる足まわりを備えたXは、スポーツスターの無限の可能性を見せ付けているかのようである。

高い接地感による
オン・ザ・レール感覚

1年前に登場したXR1200に1200Xというスペシャル(上級としても差し支えないだろう)バージョンが追加された。これは、全体をブラックアウトし、フロントフォークに国産スーパースポーツモデルにも装着され始めたBPF(ビッグ・ピストン・フォーク)を採用するなどしたモデルである。

そもそもXRは、H-Dヨーロッパの企画から生まれ、'70年代のダー卜トラックレーサーXR750をモチーフとしており、走りもXL1200などのスポーツスターよりも、ロードスポーツとして高次元に楽しめるものとなっている。この1200Xは、XR750を髣髴とさせるカラーリングの1200に対し、独自に精悍なスポーティイメージを強めるとともに、ロードスポーツとしてのキャラを、より明確にしていると解釈してよさそうである。

さて、跨ってみるとライポジは標準モデルと同じなのだが、改めてその個性の強さを印象付けられる。ステップが、スポーティ指向のネイキッド並みかそれ以上に後退した位置にあるのだ。ハンドルバーがダー卜卜ラッカーを思わせる大型のアップタイプであるだけに、余計にそう感じられるのだろう。

おまけに、足下は幅広のクランクケースのために広がり、その割りに、ヒザまわりがスリムで、ヒザが浮き気味になりがちである。まあ、計算され尽くしてぴたりと決まったライポジもいいが、マシンに自分が合わせ込んでいくのも悪くない。乗りこなしている感が高まってくれるからだ。いずれにしても、自然体でアグレッシブに楽しむ気にさせられるライポジであることに変わりはない。

スポーツスターとフレームが共通であっても、剛性不足感など感じさせず、ハンドリングはなかなか秀逸である。スポーツネイキッドにふさわしいバンク角を備え、オンロードスタイルで身体をインに入れても、安定したまま狙ったラインをトレースしていく。また、スポーツスターのタイヤが前19、後16インチとしているのに対し、XRは前18で、後は17インチのワイドになっており、その意昧でも、今日的なスポーツネイキッドを感じさせる。

しかも、フロントにBPF、リヤにフルアジャスタブル式を採用、高グレード化された前後サスによって、この1200Xのハンドリングは高次元化されている。リヤはストローク感の小ささがなくなり、しなやかに動いてくれるし、フロントは、理想的な姿勢変化を実現しながら、常に接地感を伝え続けてくれる。

特にフロントは、スーパースポーツ並みのサスペンション性能を手に入れたことで、さらに忠実にラインをトレースしてくれる。ますます、もっとパワーを、もっと深いバンク角を、と思ってしまうほどだ。

シリンダーヘッドなどをビューエルから逆転用したエンジンは、ベースのスポーツスターよりも高回転側が強化されている。それでも、決してパワーがライダーを怖気づかせることはなく公道で使い切れる等身大の特性だと言っていい。3~4000rpmの中速域トルクを楽しみながらもタコメーターのレッドゾーンが始まる7000rpmまでを気持ちよく使い切ることができる。

ただ、この2010年型は、国内排ガス規制の影響か、2500rpm前後の低回転域で混合気が薄いような印象で、ややトルク感に欠ける。もっとも、息つきなどの病的な症状はないから、走りが乱れることはないが、太い卜ラクションが欲しい状況では1段下のギヤを使いたい場面も出てくるだろう。

この新しい1200Xは、価格は標準モデルよりもわずか2万5千円高いだけだ。その意味で、なかなかのお買い得モデルである。

ただし、である。標準モデルにも捨てがたい味わいがある。従来からのフロントフォークが装着されたそれは、自らフロントを切れ込ませ、接地感を高めていくためのコントロールが求められる分、スポーツしている実感が高く、むしろオーセンティンクでマニアックであると思えてならないからである。

走りと外観をリファインしたXR~X

 

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