【Page4】ホンダCB750&カワサキ ゼファー750・試乗インプレッション

掲載日:2010年02月03日 特集記事    

記事提供/2009年10月1日発行 月刊ロードライダー 10月号
■Report/和歌山利宏 ■Photo/徳永 茂
スペシャルパーツ忠男[TEL]03-3845-2009 〒110-0014東京都台東区北上野1-7-5
※紹介のスーパーコンバット ピュアスポーツS両車用の価格は、共に14万4900円

走りを刷新さえるエキゾーストチューン

SP忠男によるスーパーコンバット・ピュアスポーツを装着したCB750とゼファー750は、基本車の持つトータルバランスが高次元化され、真に楽しめるピュアスポーツに生まれ変わった。

ともに高次元化した
扱い易さとスポーツ性

今回の試乗は最高に楽しかった。CBとゼファーというカタログ落ちになった2台の空冷ナナハンネイキッドをワインディングに持ち込み、物足りなさも振り回されることもなく、無心に走れたからだ。そして、これらが十分なパワーとジャストサイズの車格を持ち合わせていること、また思い切りスポーツできる一方で、扱いやすく日常性に富んでいることを、改めて思い知らされたのである。

もっとも、ここまで楽しめたのは、今回の2台のマシンのマフラーが、SP忠男スーパーコンバット・ピュアスポーツSに換装されているからでもある。車重の10kg近い軽量化と、低中速域を中心としたトルク特性の改善が実現され、基本車の優れたトータルバランスが格段に向上、ますます魅力的になっていたからだ。

まず、CB750は、走り出すや、基本車そのままのフレンドリーさと優しさにホッとしながらも、スポーツ心に火が着く感じである。当然、排気騒音は規制値に抑えられ、これなら良識人としての立場を守れる。ただ、これでも音が大きいとの声があるそうだが、変なフン詰まり感がなく、燃焼ガスが適正に排出されエンジンの様子をリアルに伝えるという意味で、好感が持てる。

発進すると、低回転域からトルクフルで、スロットルワークにダイレクト感がある。ノーマルは4000rpm以下だとモワッとした感じで、優しいフィーリングであっても、かったるい印象も免れないところだが、これは楽しい。ワインディングを5000rpm以下でメリハリ良く流していくことができるのだ。そればかりか、レッドゾーンが始まる9250rpmまで淀みなく回りきってくれる。なかなか爽快だ。そうやってワインディングを走っていると、ジェントルなノーマルにはないスポーティさである。車重が軽くなったことと、スロットルワークに小気味良く反応してくれるエンジンが、見事にマッチしているのだ。

もう一台のゼファー750も、基本的な印象はCBの場合と変わらない。ただ、マフラーの取り回しとの関係でステップ位置がわずかに上方に移動しており、ステップワークを機敏にこなすことができるため、一層スポーツネイキッドとの印象が強くなっている。実際、ハンドリングもエンジンもCBよりシャープなフィーリングである。

特にエンジンは、ノーマルにある4000rpm付近のトルク谷が一掃されており、その手前の太い低速域からうまく繋がっていく。ノーマルはもちろん、今回同時試乗のCBの場合よりも、低回転をキープしたままメリハリ良く走ることができる。

もちろん、強化された低中速トルクはそのまま高回転域へと繋がっていく。残念なのは、この試乗車だけの問題か、レッドゾーンが始まる10000rpmの手前、8500rpmでリミッターが効いたように回転上昇を止めてしまうことである。それでも、たとえそれが正常なものでなくても、そこまでのトルク感を考えれば納得させられてしまう。

こうした充実したトルク感によって、両車ともに、排気量が850か900ccぐらいにスケールアップされた感じがするのは、まさに触れ込み通りでもあった。

 

CB750:バランスの良さをそのままに走りはスポーティ。軽くなったことでサスは固めになるが、峠道を攻めるにはちょうど良かった

CB750:バランスの良さをそのままに走りはスポーティ。軽くなったことでサスは固めになるが、峠道を攻めるにはちょうど良かった

 

ZEPHYR750:基本車のハンドリングマシンの性格が高次元化する一方、4000rpm手前のトルク谷がなくなり、より扱いやすくなった

ZEPHYR750:基本車のハンドリングマシンの性格が高次元化する一方、4000rpm手前のトルク谷がなくなり、より扱いやすくなった

 

今回の試乗では、SP忠男の営業企画部長である大泉善稔さん自らが2台の試乗車を伊豆の山中に運び込み、テストに立ち会ってくれた。それぞれの製品に狙いが実現されていることを実感!

今回の試乗では、SP忠男の営業企画部長である大泉善稔さん自らが2台の試乗車を伊豆の山中に運び込み、テストに立ち会ってくれた。それぞれの製品に狙いが実現されていることを実感!

 

ホンダ CB750 Detail Check!

CB750のルーツは'84年のCBX

'92年登場のCB750のルーツは、'84年のCBX750F。 '69年のK0、'79年の750Fに継ぐ三代目ナナハンだ。CBXからエンジンを低中速型に調教、フレームはパイプワークをそのままに30%剛性アップし、前後輪軸距を30mm延長。前後サスを高グレード化しタイヤを前後17インチのラジアルとしており、'08年に生産中止となるまで素性の良さを誇示してきた


集合方式は4-2-1だが、エキパイはφ38mmのストレートで集合部はφ60mm。 #1と#2、#3と#4を集合する方式で、ゼファー用とは異なる。サイレン

 

 

カワサキ ゼファー750 Detail Check!

ゼファーのルーツは'76年のZ650

'90年に登場したゼファー750は、'80年のZ750FX-II(そのルーツは'76年のZ650)から発展した'83年のGPz750のエンジンと基本としていて、スロットルセンサーのK-TRICと排ガス浄化システムのKLEENを'01年型から採用、'06年まで市販されてきた長寿モデルだ。ナナハンとしては軽量コンパク卜というルーツモデルの持ち味を引き継いできたと言える

集合方式が4-2-1で、集合部径φ60mm、チタンブルーカラーであることはCB750用と同じだが、4000rpm手前のトルク谷対策という開発目標実現のため、エキパイ-テールパイプをφ32-60mmのテーパータイプとし、#1と#4、#2と#3を集合、それぞれに連結管を設けている

 

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