【ホンダ CRF450L】指定スケジュールに沿ったメンテナンスでポテンシャルをキープ! 密着 初回&1000km点検

掲載日:2019年02月20日 フォトTOPICS    

写真/長谷川徹 文/小川浩康
取材協力/ホンダモーターサイクルジャパン
記事提供/ガルル編集部
※この記事は『月刊ガルル vol.393』に掲載された内容を再編集したものです。

2018年 全日本モトクロス選手権 第9戦第56回MFJグランプリモトクロス大会の画像

モトクロッサーCRF450Rをベースに開発されたCRF450Lは、本来の性能を維持するためには競技車両並みのメンテナンスサイクルが欠かせない。そこで1,000km走行時の初回点検の詳細を紹介。CRF450Lのメンテナンス方法と1,000km走行時の状態を見ていこう!

初回点検でCRF450L各部の
マシン状態をチェック!

ホンダのリリース文に、「CRF450Lは、モトクロッサーCRF450Rをベースに、公道走行に必要な装備を追加し、法規に対応させることで公道走行を可能としたモデルです。ホンダの2年保証の適用とCRF450Lの性能を維持し、長くご愛用いただくためには、ホンダ指定のスケジュールに沿ったメンテナンスと部品交換が必要」とある。そこで、走行1,000kmに達したのを機に、ホンダドリーム鴻巣で初回点検を行なってもらった。

モデル車両は、新車発表会の試乗車として使用されたもので、さまざまなレベルのライダーがダート走行を行なっていた。その後、本誌企画「オフロードバイクテイスティング」で小林直樹師範が林道ツーリングで徹底試乗。高速走行、ワインディング、ダートでのアクションライディングなど、限界領域まで踏み込んでテストしてもらった。

この他、本誌編集部員が通勤やプチツーリングに使用し、読者の皆さんと同じような使いかたも試している。その結果、ナンバー付きオフロードモデルとしてのダート走行率は高めで、通常よりも過酷に乗られた状態といえる。

初回点検の作業内容は写真で紹介していくが、実際に作業を担当していただいた笛木翔太メカニックに車両状態を聞いていみると、「まったく問題ないです」とのこと。レーサーをベースとして開発しているとはいえ、最新のモデルらしく、1,000km程度では不具合はないという結果となった。

この先もホンダ指定のスケジュールに沿ったメンテナンスと部品交換は必要となるが、レーサーベースという出自を考慮すれば、そのメンテナンス頻度は妥当といえる。

CHECK POINT 1・灯火類の点灯

チェック項目は(1)フロントブレーキ、(2)ウインカー&ヘッドライトディマー、(3)リアブレーキの3つ。

フロントブレーキ、ウインカー、ヘッドライトのハイ・ロー、リアブレーキを操作し、各ライトが点灯するかを確認。

CHECK POINT 2・レバーの緩みやガタ

チェック項目は(1)フロントブレーキ、(2)クラッチレバーの2つ。

ブレーキレバーはボルトの緩みをチェック。クラッチ側はレバーとピボットの緩みをチェックし、クラッチワイヤーの遊び量もチェック。今回は両方とも緩みはなく、遊び量も適正だった。

CHECK POINT 3・フロントの足まわり

フロントの足まわりはチェック項目が多め。(1)フロントアクスルホルダー左右(2)フロントアクスル、(3)フロントブレーキキャリパー、(4)パッドピンカバー、(5)ロワブラケット、(6)アッパーブラケットで基本はボルトの緩み確認。

続いてフロントの足まわりをチェックしていく。ボルトの緩みを確認するのが基本となる。まずはフロントアクスルホルダーのナットを左右ともにチェックしたら、アクスルシャフト自体の緩みもチェックする。作業しやすいようにディスクカバーは取りはずしておく。フロントブレーキキャリパーの締め付け具合をチェックし、パッドピンのカバーは緩みもしくは固着していないかを確認する。次にフロントフォークのロワブラケットとアッパーブラケットの締め付けを見る。今回は緩みや固着はどこにも見られなかった。

CHECK POINT 4・ペダル

ペダルは(1)ブレーキペダル、(2)シフトペダルの2点を確認する。

ブレーキペダルを押して、動きのスムーズさをチェック。動きが硬い場合はグリスが抜けていることが考えられるので、硬い場合は指で差している部分のボルトを抜いてグリスアップする。シフトペダルはガタつきをチェックする。

CHECK POINT 5・エンジンオイル交換

1000km毎または4カ月毎に交換を推奨するエンジンオイル。テスト車両は走行1000kmに達したので、交換作業を行なった。

アンダーカバーは取りはずし、10mmの6角レンチでドレンボルトを緩める。事前に充分に暖機しておけば、エンジンオイルは淀みなく排出される。

次にオイルクリーナーを交換するためにクランクカバーを取りはずすが、シフトペダルをはずすと作業しやすい。クランクカバーを取りはずしたら、中にスプリングが入っているので、オイルクリーナーカバーは押さえながら取りはずすのがポイント。

新車ということもあり、オイルクリーナーは汚れている。右が新品。オイルはレーシングエンジンということもあり汚れは多め。熱が入り潤滑性能も落ちているので、交換サイクルは厳守。こちらも右が新品。

新品フィルターとOリングにエンジンオイルを塗り、Oリングが切れるのを防ぐ。組み付けもていねいに。Oリングを破損しないように、カバーのボルトも手で締める。工具を使うのは最後で。ドレンボルトのOリングにもエンジンオイルを塗っておく。こちらのOリングは、エンジンオイルを2回交換したら新品にする。

ドレンボルトはトルクレンチで締め付ける。規定トルクは18N・m。汚れの付着を防ぐために脱脂しておく。エンジンオイルはホンダウルトラG1 10W-30を入れ、レベルゲージでオイル量が適正なのを確認する。

CHECK POINT 6・ドライブチェーン調整

新車のドライブチェーンには初期伸びが起こることもある。チェーンの遊び量を適正に調整しておこう。

作業効率を高めるためにチェーンガイドを取りはずし作業を開始。チェーンガイドの内部には樹脂製のガイドが入っていてチェーンとの接触で削れていくので、削れすぎていないか確認。その後後輪を浮かせた(チェーンに荷重がかかっていない)状態にして、前後スプロケットの中間部分で遊び量をチェック。今回は伸びはなかった。

チェーンクリーナーで汚れを取ったら、スプロケットとの噛み合い部分にチェーンルブを吹く。次にチェーンリンクの間に入れるようにルブを吹いていく。この時、後輪を時計回転させると、指をスプロケットに挟みにくくなる。

仕上げにチェーンアジャスター、リアアクスルシャフト、リアブレーキパッドピンなどの緩みもチェックしておこう。とくにチェーンアジャスターは新車時に緩んでいることが多い。

CHECK POINT7・完成検査

最後にエンジンをかけてエンジンオイル漏れがないかをチェック。前後タイヤの空気圧を既定値(150kPa)に合わせ、作業を行なったメカニックとは異なるメカニックに確認してもらい、異状がなければ初回点検作業は完了となる。

高性能なレーサーエンジンらしく、エンジンオイルには汚れがあったが、それ以外の部分では緩みなどはなかった。「トラブルを防ぐためにも、灯火類、エンジンオイルレベル、燃料のチェックといった乗車前点検を行なってください」とは、笛木メカニックからのアドバイス。レーサーの高性能を公道で楽しめるCRF450Lは、純然なトレールモデルよりはメンテナンスが必要だが、レーサーと比較すればメンテナンス頻度は少ないほど。初回点検を行なってみて、そう感じられた。

点検を行ったのはホンダドリーム鴻巣

明るく清潔な店内には、オン・オフの最新モデルをはじめ、厳しい基準をクリアした認定中古車も展示。また、アパレルやヘルメットなどのライディンググッズも展示し、試着もできる。ツーリングやライディングレッスンイベントなども開催し、遊びの提案もしてくれる頼れるショップだ。3月31日までは「免許取得応援キャンペーン」を開催中。店頭でエントリーし、自動車教習所を卒業の上、二輪免許を取得。エントリー店で126cc~250ccを購入すると2万円分、251cc以上は4万円分のオプションがプレゼントされる。

住所/〒365-0062埼玉県鴻巣市大字箕田1872-1
電話/048-596-5421 www.dream-kantou.co.jp/kohnosu
営業時間/10:30~19:00 
定休日/毎週水曜日・第3火曜日

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