総額いくらかかるのか!? 不動スクーター【ホンダ・ジョルノ】を激安再生!! 第9回

掲載日:2018年10月12日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事はモトメンテナンス増刊「バイクメンテビギナーズ」に掲載された内容を再編集したものです。

キャブレターは小さく精密な部品なので
専用のドライバーを使用して組み立てたい

キャブレターは小さな精密部品なので、不器用だったり、老眼の人がメンテするには厳しいかもしれないけれど、原付スクーターのキャブなら部品点数も少ないし、構造も簡単シンプルなので、組み立てに苦労することはそれほど無いと思う。

エアスクリューにはスプリング、ワッシャー、Oリングの順に組み付けてボディに復元する。ジョルノの場合、まずいっぱいまで締めたあと、1と1/4回転戻すのが規定値となる。

フロートチャンバーのドレンボルトにはOリングが付いているので、これはガスケットセットの新品に交換しておく。Oリングにシリコングリスを薄く塗布しておくと良い。しっかり締めておく。

ニードルジェットを挿入した後、メインジェットを組み付ける。マイナスドライバーの入る溝が崩れやすいので、脱着時にはサイズの合ったものを使用したい。メインジェットは78番だった。

キャブレターボディやジェットの通路がすべて詰まったり穴の大きさが小さくなったりしていないかどうかが重要だ。それと、Oリングなどが入ってシールされている所はすべてしっかりシールされていることも大前提となる。ジョルノのキャブレターでは、調整できるのはエアスクリューとアイドリングのみとなり、あとは組むだけで作業は完了となる。その他、リードバルブの清掃、エアクリーナーの交換を行い、これにて吸気系がすっきりしたのでした。

フロートバルブと接するバルブシートを金属磨き剤と綿棒でグリグリ磨いておく。バルブシート面が荒れているとガソリンが閉じ切れなくなってオーバーフローの原因となる。

フロートは樹脂製なので油面の調整はできないタイプ。このフロートがガソリンの中で浮くことでフロートバルブを閉じたり、開いたりしてフロートチャンバー内のガソリン量を調整している。

オートチョークは、電気が流れると発熱によって膨張する物質によってニードルが飛び出て、スターター経路を塞ぐ構造になっている。壊れるとチョークが効きっぱなしとなる。Oリングを交換して復元。

インレットマニホールドに入る2つのOリングも新品に交換した。ここからエアーを吸い込むと混合気が薄くなって、エンジン焼き付きの原因となる。二次エアーの吸い込みには特に注意したい。

車体側のスロットルワイヤーにつながるキャブレターのトップキャップ部のOリングもオーバーホールキットに入っていたので新品に交換する。薄くシリコングリスを塗布しておいた。

純正のガスケットセットは、キャブレターに使われる6個のOリングがセットになって842円(税込)だった。いつまで供給されるかはわからないが、新品で手に入るのは非常にありがたい。

リードバルブはマニホールドの根元に位置する。クランクケース内にゴミなどが落ちないようにあらかじめ周辺のゴミを掃除しておく。ゴミはカメラ用のブロワー(100均)を使用して吹き飛ばした。

ガスケットがかなり強力に張り付いていたので、ゴムハンマーで軽くショックを与えつつ剥がしとった。ガスケットはリードバルブを挟むように2枚組みこまれる。カッターできれいに剥がしとった。

リードバルブにはカーボンの堆積も無く、まったく問題の無い非常に綺麗な状態だった。走行距離も少ないし、オイルの種類や乗り方も良かったのだろう。軽くクリーンナップして復元した。

2枚のガスケットは純正の新品を使用した。別品番だが同価格で264円(税込)×2となる。古いガスケットをしっかり剥がしとってから薄く液体ガスケットを塗って組み付けた。これでチェック完了。

リードバルブ、キャブレター、エアクリーナーを復元。エアクリーナーは洗浄、再使用もできるのだが、新品に交換しておいた。価格は432円(税込)だった。これで吸気系のリフレッシュは完了!!

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