2010 東京モーターサイクルショー[KTM編]

掲載日: 2010年03月26日(金) 更新日: 2013年12月11日(水)
カテゴリー: トピックス  タグ: , , ,  
この記事は2010年3月26日当時の情報に基づいて制作されています。

東京ビッグサイトにて3月26日(金)~3月28日(日)の日程で開催される「第37回東京モーターサイクルショー」がいよいよ始まった。そして、数あるブースの中でも最も見どころが多かったのがKTMのブースである。注目モデルやニューモデルの展示はもちろんだが、なんとKTMはこの東京モーターサイクルショーに2台のゼロ・エミッションバイク(電動スポーツバイク)を投入したのだ。

KTMブース全景

KTM Freerideと名づけられたこのバイクには“SM”と“Enduro”の2バージョンが存在し、今回その2台ともがこの東京モーターサイクルショーでアンベールされた。

KTMブース

SMは見るからに軽快な走りを予感させるモタードタイプで、車体中央に丸く見えるモーターと車体上部のほとんどを占めるバッテリーを極めてコンパクトなフレーム内に押し込んだ構成が印象的。そのフレームもピボットプレートとメインチューブに別素材を使用したハイブリッドタイプであるほか、貫通タイプではない特徴的なWP製フロントフォークなど、車体各部にも見逃せないポイントが多い。シュラウドに描かれた文字はBMXのトリック名であり、ユニークなステアリング構成は、これらのトリックを実際に駆使できる構造となっている。


【写真左】ピボットプレートとメインチューブを別素材としたハイブリッドフレーム。バッテリーユニットは極めてタイトに収納されているが取り外し可能。【写真中】フロントフォークは貫通タイプではなく自転車に近い構成。ケーブル類はステアリングシャフト中通し。BMXのテクニックを駆使するためのアイデア。【写真右】ブレーキをはじめとして各部に徹底した軽量化が施されているのが分かる。

一方、EnduroはいかにもKTMらしいオフロードモデルとなっている。SMも同様だが、泥、水、衝撃に耐えうる構造としたうえで、モーターのハウジングは放熱性も考慮。左右ステップまわりにはペダル類が一切なく、リアブレーキはハンドルバーのレバーにて操作。リンクレスで搭載されたリアサスペンションおよびフロントの倒立フォークはもちろんWP製だ。プレゼンテーションによると90分の充電で約45分間レーススピードで走行可能とのことで、既存モデル同様の“READY TO RACE”な構成となっている。なお発売は2011年秋を予定しているという。


【写真左】オフロード走行に対応するために泥、水、衝撃に耐えうる構造としたモーターユニット。スイングアームシャフトはフレームとモーターユニット後端を貫通する構造。【写真中】フレームのピボットプレートはかなり薄いが、モーターユニット後端がピボットを兼ねる構造のため剛性は高そうだ。【写真右】まるで自転車のようだが、ハブ、スイングアーム、ブレーキは極めて質感の高い作りとなっている。

以前、KTM JAPANの広報担当上条さんにインタビューした時、「今後、バイクを取り巻く環境はより厳しくなるということは、皆さんご想像されているのではないでしょうか。我々もそれは同様ですが、そんな状況の中でも、KTMはバイクの楽しみを今と変わらず、むしろもっと身近に味わっていただけるよう、未来に向けてのバイク開発に鋭意努力していきます。これは将来、どの様に環境が変わろうともKTMは乗って楽しい製品を作り続るということです。」というお話を伺った。この2台を見れば、それが単なるリップサービスではなかったことが分かるはずだ。KTMファンはもちろん、全てのバイクファンに訪れていただきたいブースである。(バイクブロス・マガジンズ編集部 渡辺)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

このページの一番上へ

サイトのトップページへ

このページの一番下へ