バイクブロス編集部員の徒然なるひとり言
更新日: 2017年8月30日 16:41:16 カテゴリー:

転がる石のように、あるいはその前日譚として/前編

by: narita (投稿数: 39)

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ハーレーのVツインにドゥカティのLツイン、トライアンフはバーチカルツイン、そしてBMWと言えばボクサーツインである。あの水平対向2気筒エンジンの強烈なインパクトたるや。まさに唯我独尊、その乗り味も無二のものだ。実はここ数週間、BMWモトラッドの専門誌「BMW BIKES」なる雑誌作りに没頭していた。その巻頭企画でヘリテイジのニューモデル「R nineT Urban G/S」のインプレッションと表紙の撮影を行ったのだが、それがかなりアバンギャルドなものだったので、今回はその話をさせていただきたい。

朝5時30分に水道橋の編集部に集合し、いざ撮影開始。天気は小雨。スケジュールに余裕があれば撮影は延期したいところであるが、もちろんそんな時間はない。なにがなんでも表紙の撮影だけは今日中に終わらせないといけない。どうにか小雨の止むタイミングで表紙の写真は数パターン撮影できたのだが、この天気ではUrban G/Sの撮影、特に走行カットは撮れないと諦めていた。がしかし、せっかくだからいろいろとロケハンしてみようということになり、雨はまだ降ったり止んだりという感じだったが、まずは品川埠頭のコンテナ街に向うことにした。

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現場に到着し撮影ポイントを探していたら、カメラマンの長谷川さんがテストとしてパシャパシャと写真を撮りはじめた。雨は止んでいるが、道にはそこかしこに大きな水溜りや小さな水溜りができている。普通に考えれば撮影に向かない路面状況であるが、それを逆手に取って水溜りに車両を写し込んで撮影をする長谷川カメラマン。これがなんとも色っぽいイイ雰囲気の写真になり、本格的に撮影開始。雨は降ったり止んだりという相変わらずの天気だったが、スタイリングの写真は撮り終えることができた。さらに路面の水を巻き上げ、ストロボを飛ばしたりしていろいろなシチュエーションの写真を撮ることができた。ぼくが考えていた方向性とはまったく違うが、なんだか面白くなってきた。

小雨は相変わらず降っているので、さすがに走行カットの撮影はできないと諦めていたが、またロケハンに行ってみようということになり、品川埠頭からレインボーブリッジを渡り、お台場を抜けてゲートブリッジまでやってきた。どんよりとした曇り空で時折雨も降っていたが、ここでも試しに撮影してみようということになった。これがまた薄らと靄がかかったようなイイ雰囲気の写真が撮れ、イッキに走行カットの撮影を終わらせることができた。

予想を裏切る今回の撮影。ますます面白くなってきた。さらにこのあと考えてもみなかった展開が……。

次回につづく。

BMW BIKES 80号