バイクブロス編集部員の徒然なるひとり言
更新日: 2017年8月15日 10:54:31 カテゴリー:

天手力雄命とオールドカー/急

by: narita (投稿数: 39)

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長野県の戸隠神社から東京に帰り着き、あろうことか自宅の駐車場のブロック塀にカマロをぶつけ、右の前がベッコリと豪快に凹んでしまったわけだが、どうにも合点がいかない。確かに大雨で視界は悪かった。疲れもあったと思う。それにしてもクルマをぶつけるほど集中力を失っていたわけではない。いつもの手順でいつものようにいつもの位置にカマロを停めたはず。

——なにかに引っ張られるように当たるべくして当たった。これが正直な印象だ。

落ち込んでいても仕方ない。さっさとクルマを修理して嫌なことは忘れよう。いっそなかったことにしてしまおう。この発想自体、前向きなのか後ろ向きなのかよく分からないが、とにかく現実を受け止め、前に進むことにしよう。早速、行きつけのアメ車屋、横浜市港北区の「RED LINE AUTOMOTIVE」にカマロを持ち込むことにした。自宅からショップまでは約30キロ。ベッコリ凹んではいるが走行には支障がないので、翌週の土曜日にRED LINEへと向った。

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朝10時過ぎに自宅を出て、慢性的な渋滞の環八に合流し、第三京浜の玉川インターに向っていると、世田谷通りのオーバーパスの手前で数人の警官が車線変更の取り締りを行っていた。そのおかげでさらに渋滞がひどくなっている。悪態をつきながら右に車線変更し、オーバーパスにさしかかったところで渋滞のため停車。ぼくのカマロはマニュアルミュションなので、ギアをニュートラルに入れ、サイドブレーキをかけた。しばらくして前のクルマが進み出したので、ギアを一速に入れようとクラッチを踏み込んだところ、ストンとエンジンストップ。

「ん?」

一瞬わけが分からなかったのだが、すぐに気を取り直し、エンジンをかけようとしたがセルが回らない。

「ん??」

グリグリとイグニッションを回してみたが、まったく電気がきている様子がない。

——いやいやいやないないない! ありえないありえない!!

オーバーパスの右車線、しかも大渋滞中でのエンジンストップ。すぐさま後ろの車に合図して左車線によけてもらい、ボンネットを開けてまずはバッテリーの端子をチェックするも異常なし。そのほか目視でなにか異常がないか探してみたが、なにも見当たらない。それから運転席に戻り、イグニッションをグイグリと何度も回してみたが、やはり電気が通っていない。完全にお手上げた。しかもオーバーパスの上りゆえ、クルマを移動することすらできない。

これはマズい、相当にマズい、絶対絶命だ。すると車線変更の取り締りを行っていた警官がすごい勢いでこちらに走ってきた。その警官に状況を説明し、すぐJAFに連絡するよう促され、レッカー車を呼ぶことにした。泣きっ面に蜂、踏んだり蹴ったり、弱り目に祟り目。なんなんだいったい……。

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次回『天手力雄命とオールドカー/あとがきのようなもの』につづく。