クラブマン編集部ブログ-バイクのことならバイクブロス

 post : 2009年02月16日  comments (2)

モトグッツィのある町、マンデロの入口モトグッツィ本社のあるマンデロの町を抜けるSP72という街道は、こんな古い建物が沿道に立ち並んでます。
アルプスの氷河が作った、コモ湖とレッコ湖という「人」の字のようなかたちをした湖に沿って走る街道は、かたや湖、かたや断崖絶壁の風光明媚な土地です。
だから、こんなワインディングが延々と続きます。


そうして走っていくと、こんなふうに「グッチはこっちじゃ」という看板が出てきます。
矢印に従い、ロータリーをぐるりと回って右手の方向に向かうと、鉄道のガードをくぐります。
そして道がゆるやかに左カーブを描くと、正面にはそのカーブに沿うようにたまご色の建物が見えてくるのです。
それが先日ご紹介した、モトグッツィの壁です。
まるく、やわらかな、ひと目見ただけで惹きこまれるフシギな壁です。



フシギな壁に吸い込まれないようにハンドルを操作すると、いよいよモトグッツィ本社正門前にやってきます。
先のエントリーでも書きましたが、ここは『マンデロ・デル・ラリオ』の駅前広場でもあります。
撮影した時間はちょっと早かったため、人気はあまりなく、グッツィの正門も閉じています。
まあ、それはそれとして、では中へ入ってみますか。



正門をくぐり、旧い建物にはさまれた狭い通路を奥へと歩きます。
右手の建物にはちょっとした整備工場があり、その入口にはV8エンジンを搭載した『オットーチリンドリ』が展示されています。
しかもこのオットーチリンドリはちゃんと走るんだそうです。
一緒にグッツィを訪問したナガヤマ編集長はしっかりとオットーチリンドリにまたがって、その感触を確かめてました。
私は畏れおおくてできませんでしたが(笑)。
そうそう、この整備工場が実に味のある空間なんです。
グッツィが主催するフェスティバルでは、この整備工場をスタジオにしてオーナーさんの撮影をしたりしてます。
それはまた今度紹介するとして、今は奥へと進んでみましょう。



狭い通路を抜けると、ちょっとした広場に出ます。
さらに奥へと進んでいくと、1933年に建てられたというこの建物が見えてきます。
『GUZZI ART WORK』と描かれたところから考えると、右手の建物はおそらく今は工場ではなく、社員たちのアトリエのような施設になっているのかもしれません。
(ナガヤマ編集長にこっそりと聞いたところ、この建物はプロトやテスト車両が保管されている秘密基地だそうです。それならドアを開けて一枚撮っておけばよかった!!)
それにしても壁にある茶色の丸い穴のようなものはいったい何なのでしょうか。
さて、その奥に見えるクリーム色の小さな建物が見えますか?
それが今日の目的地です。
もう少し近づいてみましょう。



さあ、ここが目的地です。
いったいどんな建物かわかりますか?
そばに立っているのは、この日私たちを案内してくれた、モトグッツィ本社広報のトーレザンさんです。
彼と比較するとこの施設の大きさがわかると思います。
さて、いったい何でしょう?



では、この建物をぐるっと回り込んでみましょう。
さっきの場所はいちばん端っこです。
おや、ここにはガソリン給油機が置かれてますね。
残念ながら稼動していないようですが、すでに時代モノとなっていて味がありますねえ。



さらに回り込んでいくと、反対の端っこに辿り着きました。
ナガヤマ編集長が中をのぞきこんでます。
どうやらこの建物はまるで巨大なイモムシみたいな形をしています。
まあ、普通に表現すればトンネル状の建物ってことになるんですが、「イモムシ」と形容したくなる何かがあるんですよ、これには。
まるで宮崎駿のアニメに出てくる蟲のような雰囲気を漂わせているのです。
では、ナガヤマ編集長に続いて中をのぞいてみることにしますか。



これが反対側の端っこです。
トンネルの中にはなにやら大きな機械が据え付けられています。
そう、これはプロペラです。
飛行機の先っちょだけひっぺがして持ってきたような、プロペラそのものです。
だけど、プロペラの先端はあちら側を向いています。
つまり、もしもこれが飛行機だったらこちら側に向かって機体がある、ということになりますが、機体はないのでこれは巨大な扇風機です。
ということは、扇風機が回るとものすごい勢いで空気を吸い込むわけです。
さて、何かわかりましたか?



では、イモムシの中へ入って扇風機の羽の間をくぐり抜けてみましょう。
ナガヤマ編集長とトーレザンさんが金網越しに見ているのは、バイクの後姿ですね。
ちなみに車種はノルジェ1200です。
もうわかりましたね。
これは風洞実験室です。
巨大な扇風機を回して「空気を吸い込む」ことで、擬似的な走行風を作り出しているというわけです。
これは1950年に作られたといいますから、数々の名車がこの装置で実験を繰り返し、生まれてきたのですね。
しかしながらこの装置を稼動させたときの騒音はものすごいそうで(すぐ裏が崖のため音が反響するらしい)、近隣に住宅が増えてきたこともあって使われなくなって久しいとのことです。
そうそう、二人の前にある金網は、万が一ライダーが落車した際、扇風機に吸い込まれないための金網だそうです。
想像すると、かなり怖いですね。



というわけで、風洞実験室の全体がこちらです。
これは本社内に設けられた「ミュージアム」に展示されている模型です。
この解説によると、扇風機のエンジンの出力は300psで、時速225kmの走行風を再現できたようです。
ここに書かれている「VENTO(ヴェント)」は、冬を知らせる冷たく強い風のことも意味するそうで、私たちが訪れたときもヴェントが吹いていました。

その帰り道はお告げのとおり、アルプスを越えたあたりからチラチラと雪が降ってきました。
先人たちの生活の知恵にはいつも驚かされます。



コメント一覧

一介のバイク乗りさん

02月16日(Mon)

16時28分

\"LONG WAY DOWN\"でも、ユアンとチャーリー一行が訪問してましたね。
工場内のテストコース、と言うより敷地内の通路をグッツィのニューモデルでかっ飛んでましたね(笑)

ヤマシタ@クラブマン編集部さん

02月17日(Tue)

07時56分

一介のバイク乗りさん、こんにちは。
残念ながら私たちはそんなステキでエキサイティングなことはできませんでしたが(笑)、
あのテストコース(たしかに今はほぼ通路ですね)もとてもいい雰囲気のある場所です。
次の機会にご紹介しますねー。


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