モトメンテナンス編集部ブログ-バイクのことならバイクブロス

post : 2009年01月13日  comments (2)

さて、モト・メンテナンス誌では世界で唯一、カワサキ・バイソンのメンテナンスページを連載していますが(大げさですかね?笑)、今回は誌面でお見せできなかったことを少しご紹介します。

カワサキF系のクラッチカバー

手前はF8(250TRバイソン)、奥はF9(350TRビッグホーン)のクラッチカバーです。

本誌79号のウィークエンドパラダイスでもお伝えしたように、僕のバイソンはクランクシャフト端にある『オイルポンプピニオンギア』が走行中に緩んでしまったために、カバーに穴が開いてしまうというトラブルに見舞われました。上の写真にある穴の開いたカバーはまさにそのパーツです。

よく分からない方のために具体的にカワサキF8の『オイルポンプピニオンギア』の位置関係をお見せします。
オイルポンプピニオンギアの配置図

【左】図中、緑の○で囲んでいるのがオイルポンプピニオンギアで、赤で囲んだ○がロックワッシャー。その手前にある大きなギアはクラッチのピニオン。
【右】こちらは実際に穴の開いたカバーを取り付けた図。中から『コンニチハ』しちゃってるのが、オイルポンプピニオンギア。

図のように、クラッチピニオンとオイルポンプピニオンの間に、一応ロックワッシャーが入ってはいるものの、最終的にクランクシャフトの端でオイルポンプピニオンを抑え込む構造にはなっていません。そのため、ロックワッシャーが緩んでしまうと、オイルポンプピニオンも緩むこととなり、最悪の場合、最初にお見せした写真のように、ケースに大穴を開けてしまう事態が発生してしまうのであります。

コチラは初期型のF5(350TR)の同じ場所

初期のF5ビッグホーンでは、間に入るロックワッシャーが2枚の設定となっていますが、その後のF9ではF8同様、何故か1枚のみの設定に変わってしまいます。

ご存知のように、350ccのF5/F9と250ccのF8は、基本的に同じ車体構成であり、エンジンに関しても腰上以外はほぼ同一と言えるほど共通部品が多いのです。ということは、裏を返せば僕のF8に起こった『オイルポンプピニオンが緩む→シャフト端で暴れてケース破壊!』というトラブルはF5/F9/F8共通のウィークポイントと呼べるものだと思います。事実、このトラブルに見舞われた当時、この手の車両を扱っている知り合いのメカニックに聞いてみると、「同様の個体を見たことがある」と言っていました。更に先日部品取り用に入手したF9用のカバーにも、偶然その痕跡を確認することが出来ました。

やっぱりみんなこうなっちゃうみたい・・・。

【左】やはり同じトラブルに見舞われたF9のクラッチカバー。穴のあいた場所にアルミ板を当て、隙間をデブコン?で補修してマス。
【右】裏側を見ると、簡単に抜けてしまわないように、内側からアルミ板を貼り付けてます。ほぉ??ナルホドね?。
今度このトラブルにあってカバーの新品が見つからない場合はこうするしかないよなぁ・・・。(そういえば以前アメリカのサイトでも、このアルミ板をネジ止めできる形状で取り外し可能とし、定期的に外から増し締めできるようにした写真も見たことがあります。笑)

余談ですが、写真右の白い樹脂のギアがオイルポンプギア。ピニオンの駆動を受けるギアです。そしてその手前、斜めに位置するシャフトがタコメーターギア。つまりタコメーターの駆動は250/350のF系はオイルポンプの駆動から取り出しています。万が一走行中に、エンジンから異音が発生して、タコメーターが動かなくなったら、それはオイルポンプも駆動していない可能性が大!!もしそうなったら、すぐにエンジンを止めましょう!!

僕のF8は誌面でもお伝えしたとおり、グリーンワールド大堀さんの指導の下、組みつけの際にはオイルポンプピニオンギアにネジロック剤を塗布して緩み止めの対策を施しましたが、定期的にカバーを外してギアが緩んでいないかどうかのチェックは行っていきたいと思います。もしこのブログを読んでいる方で、これからF5/F9/F8に乗ろうという方、または最近手に入れたという方がいたら、ココのチェックは必ず行ってくださいね!じゃないと僕みたいにケースに穴が開いちゃいますヨ・・・。まぁ最悪、カバーは補修すればいいですが、暴れたギアで樹脂のギアが削れちゃうとシャレになりません!僕も樹脂のギアを探すのにはスンゴイ苦労しましたから。


ところで、F9のケースにはオイルポンプも付属していたのですが、よーく見てみるとF8とは違う部分がありました。

【左】F9のオイルポンプ。扇形のカムに『F9-1』の刻印がありますね。
【右】こちらは以前使っていたF8のオイルポンプ。ミクニのマークがF9とは違いますね?。

オイルポンプに付いている扇形のカムは、スロットルワイヤーから分岐したオイルポンプケーブルを引っ掛ける場所。僕はいままでF系のオイルポンプは、本体が同一で、カムの取り付け位置だけで吐出量を調整しているものだと思い込んでいましたが、形状が違うところを見ると、どうやら各モデルごとに設定があるみたい。素性の分からない車両の場合は、オイルポンプが正規のものかどうか、刻印で確認する方が良いでしょうね。

同じようで実は違った!クランクケースカバーの形状。

下がF8、上がF9のカバー。今までケースカバーはF5?F8?F9の流れの中で変わっていないと思っていましたが、実は細部が異なっていることに気が付きました。取り付けネジの位置は同じですが、各部の肉の付き方が違いますし、ケーブルを通す穴の数も違います。僕が見る限り、金型も変更されており、F9の方が軽量化されているように思います。オリジナルに拘る方は、この辺もチェックポイントですね。僕は全く気にしませんケド・・・。


今回は、僕のバイソンに起こったトラブルの話を元に、全国数百人(数十人?)の実動車オーナーさんのために僕が分かる範囲でのチェックポイントをご紹介しました。情報の少ない車両ですので、これからもこのようにコマゴマしたネタは、ブログでお届けしようと思います。
おーーっと!『モト・メンテナンス本誌』での連載もチェックお願いしますよ?!現在発売中の81号、80号、そして79号にてバイソン修理の模様を紹介してますので。

ではまた。

コメント一覧

マキシさん

01月13日(Tue)

18時11分

接合したOILホースは無事かなぁ?

つちやまさん

01月13日(Tue)

18時20分

マキシさん
その節はお世話になりました!!
実はまだ火入れの儀式をしていないので、確認できていませんが、そろそろエンジンをかける予定なので、接合したホースの様子は誌面かブログにて発表したいと思います。もうしばらくお待ちくださーい!


コメント投稿




雑誌紹介

モトメンテナンスモトメンテナンス

日々のメンテナンスから不動車の再生、そしてレストアまで「バイクいじり」を幅広くカバーするメンテナンス総合誌。あると便利な工具・ケミカルの紹介から、業者への発注の仕方、そしてアッと驚く工作テクニックまで、いじり好きの編集スタッフが自ら実践し分かりやすく紹介。

●定期購読・電子雑誌はコチラから

人気記事ランキング
記事カテゴリ