バイクSNS バイクブロス・コミュニティ-ツーリングやカスタムレポート

『並行世界(?)』 を走ってみる

近畿エリア(奈良県) カテゴリ:その他
2016-07-26 03:51:13 走行日:2016-07-02〜2016-07-02
グー!(21)

『並行世界』

wikiによりますと、
『ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す』んだそうです。
SFとかでよく使われる、「この現実とは別に、もう1つの現実が存在する」という虚構ですね。

虚構?
7月2日、梅雨の合間に軽く走って以来、『並行世界』を現実に目の当たりにした感覚に囚われています。
夏ですね。

走ったのは奈良県の県道49号線。
紀伊山地の北辺、吉野を東西に走り、地味すぎてバイクで走る人あんまりいないんじゃないかって道です。

上の写真は、K49から少し北に入った山の上にある農家を裏から撮ったものです。
標高およそ530m。
南向きの高台に建てられたこの農家は、紀伊山地の山並みの眺望に恵まれます。

20年前、この赤い屋根の上に、地元の女子中学生が腰かけて、確かにこの山並みを見ていました。
彼女にとって、これは普段の景色だったようです。

以下、写真でさらっと。

赤い屋根の家

トップの写真をおもてから。

右端のおばさんが、この家の持ち主。
今はバスの通る県道49号まで下りて暮らしていて、
この家は納屋として使っているそうです。
周りには綺麗に手入れされた畑が広がります。

県道49号との標高差は約200m。
短距離でこの差を登るつづら折れの道を
全長2.4m、重量280kgのバイクで登りましたとさ。
つづら折れのインコースの斜度なんぞ、
見た目30°・・・アハハハハ (o _ _)o

紀伊山地を望む縁側

建売やプレハブの家が増えています。
リビングの窓もガラス戸2枚くらいの巾が普通かな。

こんなに横に広がった開口のある家を建てる人が珍しくなりました。
障子戸にして8枚の巾。
軒の下に一本の丸太を通し、この長い縁側を構成しています。

その丸太も節がすごく少ない。吉野杉かな。
豊かだった生活の気配が残ります。

彼女の家族は、ここで風鈴を聞きながら、
山々の景色をバックにご飯をたべていたんでしょうね・・

縁側って素敵だわあ・・・

釜戸の完成形

ちょっと失礼して台所をチラ見。

下の畑にいた、この家の持ち主のおばちゃんいわく、
「もう住んでないから、自由に見て行って」
って、生活臭がプンプンするんですけどw

釜戸炊きのご飯は、おこげの風味が全体に行きわたったりして美味しいですよね。

日本製(?)超高級ハイテク炊飯器も
「釜戸炊き」の文句が踊ります。
目指すのは、そこなんですね。

煙の出る家も減る一方ですね。
火って、そんなに危険でしょうか?

朽ちていく家

隣の農家はもう廃屋です。

少しずつ自然に帰っていく姿も綺麗、
と言ってはだめでしょうか。

宗川

赤い屋根の家のはるか下を走る県道49号は、
標高約350mくらいで、宗川に沿って走ります。

この時期、涼しくてとても気持ちよい道でした。

祠(ほこら)

県道沿いに、こんな立派な祠がありました。

過疎の進む、西吉野。
豊かな土地ではなかったんでしょうか。

左手は金剛山、右手は吉野の山並

K49からR168へ抜けた帰り道、R24を北上せず、
少し金剛山寄りのK30を走りました。

金剛山の東側に広がる豊かな裾野の風景に、
思わずバイクを止めました。

棚田の向こうに、御所(ごせ)の平野、吉野の北端を見下ろします。

この日のお昼ご飯

道の駅、吉野路黒滝にて。

天川村特産のフワフワの「あげ」を軽く焼いたもの。@100円。

お兄さんが最後にサッと醤油をかけてくれます。
表面がサクサクの歯ごたえに、
醤油の風味が引き立ちます。

「醤油ってこんなに旨かったのか!」
調味料の方が引き立つ食材って、あります?
逆でしょ。普通。
ちょっとびっくらぽん。
でも、美味いですよ。お勧めです^-^)b
商品にしてるのも納得です。

碑文

さて、話は戻りますが、
トップの写真の赤い屋根の家の庭先には「記念碑」があります。(写真はその英語版)

ちょうど、20年前、無名の監督がこの場所で映画を撮りました。
主役には、地元の中学校で声をかけた女子中学生がそのまま採用されました。
庭先の記念碑はその映画にまつわるものです。

映画の公開が1997年。
この記念碑が作られたのが、その16年後の2013年。
そして、今回僕が訪問したのは公開から20年目の2016年。

この心に残り続ける映画のタイトルは、
「萌の朱雀(もえのすざく)」
奈良の原風景と共に暮らす人々の生活のざわめきを
愛情豊かに描いています。

当時無名だった監督の名前は、河瀬直美。
主演した女子中学生は、尾野真知子。
今や知らない人が珍しい二人ですが、
二人の人生は、この赤い屋根の家から大きく変わりました。

映画に描かれた人々の生活。
今では世界的監督、大女優となった二人の女性の人生。
映画の撮影の後も、納屋として使うおばちゃんの生活と朽ちていく農家。

以上、三つの世界が交錯する、一軒の農家を巡る旅でした。

河瀬監督の言葉が良いので紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=N9Y8kOUXOE0
再生回数372回のうち、5回は僕かなw
お暇なときにどうぞ。

赤い屋根の家は、いつでも見学できるようです。
持ち主の方によれば、いまでも海外から訪れる人もあるそうです。
取り立てて管理している様子でもなかったので、マナーが重要かな。


スポット詳細情報

  • みちるの家
  • 住所:奈良県五條市西吉野町平尾890

21人がグー!を付けています。

ログイン

会員登録する

注目のタグ

あなたのバイク今いくら?

バイク買取無料一括査定

メーカー:
郵便番号:
郵便番号を検索

PAGE TOP