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モンゴルアドベンチャー”草原のトクトーイ!”episode2

近畿エリア(大阪府) カテゴリ:アウトドア・スポーツ
2014-05-30 13:01:34 走行日:2013-09-12〜2013-09-12
グー!(11)


 9月12日(ツーリング1日目) スタート地点の丘の上からは、モスクワからウランバートルを経由し北京へ至るシベリア鉄道の線路を見下ろすことができます。地平線の彼方から現れた貨物列車はゆっくりと目の前を通過し、5分、10分、未だ最後尾の車両は姿を見せません。まるで静止画を見ているようです。
 
 今回の参加者11名のうち初めての海外ツーリングは私を含め8名、オフロード走行未経験の女子もいます。まずは先導のヂヂゲの後について草原を右へ左へ。のんびりと草を食む羊や牛たちを横目に見ながらアクセル操作、ブレーキングの感触を確かめながら目と体を慣らします。私たちには何もないまっ平らな草原に見えて、突然現れる野生動物の巣穴、雨水によってできた深さ1メートルほどの溝、遊牧民がトラックで移動する際の轍など、不用意に突っ込めばバイクもろとも吹っ飛ぶ罠があちこちに潜んでいます。ヂヂゲはそれらを巧みにかわしながら、ときどき後ろを振り返り後続のペースを見ながら、丘の頂上に向かって土煙りをあげ加速していきます。私たちは前走車の砂塵を浴びないよう車間を空けながら、ヂヂゲの走ったラインを追っていきます。
 
 しばらく走って目が慣れてくると、最初は見えなかった草原の中の轍が、走りながらでも見つけることができるようになってきました。この轍を横切るときはハンドルを引いて前輪の加重を抜いて通過しないと大転倒は必至です。草原の走り方にも慣れてきたところで、少し距離を稼ごうとヂヂゲが国道側に進路を切ったところで隊列がストップ。福島県相馬市で歯科医院を営むヤスさんが深いギャップに前輪がハマって転倒。速度は出ていなかったので大事には至らず、このタイミングでランチタイムとなりました。
 
 追い付いてきたカミオンからアーヴたちが手際よくコンテナを下ろすと、広々とした草原の真ん中にオープンカフェの開店です。サラミ、チーズ、トマト、きゅうり、それぞれ好きなものをやや硬めのパンに挟んでいただきます。その間にはエイジがお湯を沸かし、温かいスープとコーヒーをサーブしてくれました。視線の先にはどこまでも連なる草原の丘と野生馬の群れ、見上げればハイジのように乗れそうな雲。あれ?ゴンちゃんの姿が見えない?30メートルほど風下の「大草原の小さなトイレ」から大きな坊主頭がのぞいていました。
 
 午後はモンゴル馬と競い合いながら、数え切れないほど丘を越え、ただひたすらに太陽を追いかけ西へ西へ。やがて草原の中に朽ち果てた石積みの城郭遺跡が現れ、今夜の野営地へ到着。ヘルメットを脱いだら何はさておきプルタブを引き、この旅で2度目の「トクトーイ!」乾ききった喉を潤し、砂まみれの顔を洗ってさっぱりしたら、パッキングを解いてそれぞれ就寝用のテントを建て始めます。アーヴが食堂を設営、エイジが夕食の準備、ヂヂゲがマシンに給油とそれぞれが慣れた仕事をこなしていきます。
 
 太陽が地平線に沈み、東の空が深い紫色に染まると草原の気温は一気に下降し凍える寒さに。焚火に火が入れば3度目の「トクトーイ!」で宴の始まりです。今夜のメインディッシュは羊肉のミンチを小麦粉の皮で包んだホーショールというモンゴル版巨大揚げ餃子。アルヒ(モンゴルウォッカ40度!)のグラスが回ってくれば、薬指を浸し、天に一滴、大地に一滴、祈りを捧げて飲み干すのがしきたりだとか。そして数え切れない「トクトーイ!」とともに草原の夜は更けてゆくのです。                まだまだつづく


スポット詳細情報

  • ウランバートル〜ダシンチレン
  • 住所:ウランバートル

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